【この事件では、世界十数か国の政府高官が米ロッキード社(ロ社)製航空機の輸入問題で追及されているので「角栄 vs. メジャー」の構図で説明するのは間違いだ、という反対意見があるが、それは、ビジネスの現場を知らない評論家の、単なる思い込みだ。
ダムを作るとき、灌漑、発電など複数の目的で作れば「多目的ダム」になる。1本の映画にも異なる目的で複数の会社が出資することがあり、たとえば03年11月公開の邦画『game』は、フジテレビにとっては「1〜2年後に地上波で放映するための映画」だが、ポニーキャニオンにとっては「主題歌のCDを売るための映画」だ。
ロ事件という「多目的スキャンダル」で利益を得た「出資者」は、石油、航空機製造、マスコミ、米政界、反原発運動など世界の広汎な「業界」にまたがるが、人脈上その大半が米保守本流(米共和党、メジャー、とくにロックフェラー財閥系石油資本)につながるのは間違いなく、イタリアやトルコへのロ社の工作暴露で他の航空機製造業者が利益を得たとしても、それは異業種が参加していないことの証明にはならない。】